買う前に知っておきたい!一軒家の維持費ってどれくらい?
一軒家のメリット・デメリット
家を買うとなったとき、必ずといっていいほど悩むことが一軒家にするかマンションにするか、ではないでしょうか。家を買うとなれば失敗のできない買い物です。一軒家は昔から人気がありますし、多くの方が選んでいるから間違いがない、と思われるかもしれません。ですが一軒家は初期費用を支払って建てたらあとはローンだけで終わり、ではなく、その後の維持費も含めて考える必要があるのです。
一軒家にはメリットとデメリットの両方がありますが、最も難しいポイントとなるのが立地条件による土地の値段の高さです。通勤や通学を考慮して駅の周辺に家を持ちたいと思っても、土地代が想像以上に高くなってしまうこともあります。そもそも集合住宅に占領されていて土地がないことも。
しかし、こうした難点をクリアすれば一軒家はマンションに比べて非常に自由に作り込むことが可能です。庭を持つこともできますし、自宅の敷地内であればガーデニングや駐車場、あるいは将来二世帯で住むための増築など、幅広く希望を叶えることが可能になります。さらに、マンションのように隣の部屋の騒音で悩まされることもなく、プライバシーが確保されていることも大きなメリットです。
一軒家の維持費と内容は?
それでは、肝心の維持費はどれくらいになるかというと、一軒家の維持費は大きく4つの項目からなります。
1つ目が「固定資産税」です。所有している土地や建物の評価額×1.4%が固定資産税の金額となり、各市町村への納税義務が発生します。
2つ目は「都市計画税」というもので、こちらも固定資産税と同様、評価額を用いて評価額×上限0.3%の金額がかかります。固定資産税と都市計画税を合わせて年間10~15万円程度となります。
3つ目については税金ではありませんが、ほぼ確実に発生する維持費として修繕費用が挙げられます。新築住宅は10~15年程度で修繕が必要な箇所が出てきます。時には生活に支障をきたすようなレベルの綻びが発生し、修繕しなければならなくなることもあるため、無視できる費用ではありません。10年ごとに修繕をするとしても、1回修繕を行うためには100万円程度が必要になります。
4つ目が保険です。保険加入は任意ですが、地震保険や火災保険は加入しておかないと住宅が被害を受けた際に保証が出ないため、加入はほぼ必須といってもいいでしょう。火災保険は年間で2万円前後となることが多いです。
シロアリ対策、庭の手入れなどにかかる費用
木造住宅の場合、柱や土台などの構造部材に甚大な被害を及ぼすシロアリ対策は非常に重要です。新築であれば、ほとんどの場合、10年程の保証期間が設けられていますが、それ以降は自分たちで点検・対策を施していかなければならなくなります。
「シロアリ点検」については、無料でやってくれる業者も多く、インターネットなどでチェック項目を調べれば自分で確認することもできます。
「シロアリ駆除」については、坪単価6,000円~10,000円程が相場と言われていますから、30坪のお宅であれば18万円~30万円はかかるでしょう。
また、植え込みや生け垣、お庭も造りによっては維持管理に費用がかかります。庭木の剪定は自分ですることもできますが、害虫の発生など業者に作業を依頼しなければならないケースもあります。
業者に依頼をした場合、木の剪定や消毒では1本あたり17,000円~20,000円、花壇の撤去などは20,000円~280,000円、抜根は40,000円~48,000円ほどが相場と言われています。
ただし、剪定も松の木など特定の種類の場合には、相場は40,000円と跳ね上がります。高い位置の目隠しとして人気のキンモクセイなどは、年に15cmほど伸びるため、毎年のメンテナンスが必要になります。
家のメンテナンス費を軽減するために
固定資産税や都市計画税、保険費用のように、税負担の軽減等がなければ自力では金額を減らすことができない維持費もありますが、修繕費用については日頃から意識的に取り組むことで削減が可能です。特に大事なのが家を建てる段階で将来を見据えて建材選びなどをしっかり行っておくことです。建材は種類によって必要となるメンテナンス回数が違いますし、塗料や施工方法でも差が出てきます。
ローコスト住宅にありがちな購入するときだけ安く、長く住んでいくうちメンテナンス費用がかさむ、という家ではいかに価格が安くても意味がありません。耐久性が高い家を建てるほど修繕箇所や回数が少なくなり、費用も削減できます。リフォームを検討する際も同じことがいえます。修繕費用の負担を軽減できるかどうか、長い目で見て質の良い住宅を建てられる工務店を選ぶようにしていきましょう。